エイミーの麻酔科お勉強メモ

日々のお勉強のメモ

てんかん患者の術前評価

◆概要
「大脳ニューロンの過剰発射に由来する反復性の発作を主徴とする慢性脳疾患」
全般発作:両側半球性
部分発作:一側大脳半球の限局した部分

◆抗てんかん
<全般発作>
第1選択薬:バルプロ酸(デパケン)
第2選択薬:エトスクシミド(ザロンチン)、クロナゼパム(リボトリール)、フェノバルビタール(フェノバール)

<部分発作>
第1選択薬:カルバマゼピン(テグレトール)
第2選択薬:フェニトイン(アレビアチン、ホストイン)、ゾニサミド(エクセグラン)

<術前内服>
・基本的には手術当日も内服継続
・経口接種不可能な場合、注射薬のあるフェニトインかフェノバルビタールに変更(最近イーケプラの静注製剤もある)
・一般的には催眠作用のないフェニトインが好まれる
※ただしフェニトインは抗不整脈薬でもあるので、急速投与にならないように注意

<薬物相互作用>
フェニトイン、フェノバルビタールカルバマゼピン
血中濃度上昇
・抗真菌薬
アセトアミノフェン
・利尿薬

効果減弱
・ワーファリン
・インスリン
ステロイド
・非脱分極性筋弛緩薬

◆麻酔管理のポイント
てんかん発作を起こさないために
誘発する可能性がある薬
・高濃度セボフルラン
ケタミン
ドロペリドール

抑制するとされている薬
プロポフォール
チオペンタール
ミダゾラム
ジアゼパム

てんかん発作が生じた場合
・転落に注意する
・舌をかまないように注意
・酸素投与
ジアゼパム(セルシンホリゾン)投与
・無効な場合、フェニトイン(アレビアチン)投与
・無効な場合、静注用キシロカイン投与

※フェニトインはクラス1bに分類される抗不整脈薬であり、急速投与で心室細動や心停止をきたすことがある
※筋弛緩薬は痙攣はとまるが、異常な脳波は抑制されない
→痙攣の症状をマスクしてしまうため推奨はされないが、チューブを噛まれた際などには投与も必要になる。

<その他の注意点>
・覚醒遅延の可能性
てんかん誘発するもの:術後の痛み、浅麻酔、電解質異常、脱水