エイミーの麻酔科お勉強メモ

日々のお勉強のメモ

Dural Punctureの話

◆Dural punctureの時のマネージメント
(1)穿刺中にdrip backあり
→手や腕で液体の温度を評価
 Warm:CSF、Cold:生食(必要があれば血液分析検査)

→Dural puncture疑いであれば一椎間上にずらして再穿刺
 (硬膜外の是非を再検討した上で)

(2)穿刺後、術中もしくは術後にカテーテルから透明な液がひけた場合
→血液分析検査で液体の性状check
 糖が血液の約2/3であればCSF
 血糖や尿糖を測るテステープも使用可能
※PDPHを疑う頭痛症状があれば、ペインクリニックへコンサルト。頭蓋内病変の可能性も念頭に(必要なら神経内科コンサルト)。カテーテル抜去も考慮。

カテーテル留置の可否
参照:Acta Anestesio Scand 2014; 58: 1233-1239
・くも膜下へのカテーテル留置が有意にPDPHを減少させる。
・以下の機序が考えられる
 ①生食を持続的に流すことでCSF圧が保たれる。
 ②空いた穴の形状が炎症変化で小さくなる
・産科領域(無痛分娩)のみのデータである
カテーテル留置による感染の危険性については言及がない

◆PDPHのリスクファクター
・女性
・高BMI
・妊娠
・繰り返す頭痛既往
・穿刺針ベベルの向き
・針の太さ
・針の種類
・PDPHの既往

◆PDPHと針の関係(PDPH発生率:%)

ゲージ数 Pencil point針 Quincke針 Tuohy針
16 - - 70
22 0.63-4 36 -
25 0-14.5 3-25 -
27 0 1.5-5.6 -



参考
BJA:2003; 91(5): 718-29
Anaesthesia. 2008 Jan;63(1):36-43.
Current opinion in anesthesiology: 2013; 26: 296-303