エイミーの麻酔科お勉強メモ

日々のお勉強のメモ

透析患者の術前評価

◆透析患者でチェックすること
・原因疾患
・HD期間
・月水金
・DW
・シャント部位

◆原因疾患について
・透析患者における麻酔関連危機的偶発症2007の報告では、原疾患別で危機的偶発症の発症率に有意差はなかった。
・手術部位別では腹部手術で優位に発症率が高かった。(腹部手術は注意)
・DMベースの透析患者はフルストマックの可能性が大。

◆透析記録で確認すること
・HD中の血圧推移で術中の血圧変動を予測し備える
・普段透析直前に精神症状、呼吸困難、Kが6以上、などどれが表に出やすい人なのか(透析導入基準)
・DWと今の体重を比べることでドライなのでウエットなのか
・最近のHDは安定しているか
(安定=最近HD条件を変えていない、除水量が2kg以内、HD中の血圧低下や胸部症状による中断がない)
 →術中のバイタルを予測し備えるということ


◆透析スケジュールを確認する
・周術期の予定を確認するため
・術前透析によって高K、代謝性アシドーシス、水負荷、貧血をある程度コントロールできる
=急患では高K、アシドーシス、水過剰のまま入室していると思うこと!
・HD後48時間経つと高K、アシドーシス、水過剰になりやすい→術前日のHDは有効

→入室時の状態を予測し、必要なら変更を。

◆シャント部位の確認
・シャントと反対の手を確認すること
・実は反対の手にも古いシャントのある患者がいる。
・末梢ルートが取れるか、この片腕の末梢のみでその術式を乗り切れるかを考える。
→必要があればCVラインの挿入が必要

◆長期透析患者の注意点
・心血管系合併症
・貧血は腎性貧血で間違いないか?
→透析患者では貧血があっても腎性貧血として片付けられやすいが、消化管出血などの合併がないか、精査の必要はないか、MCVなどから判断を。
・消化管出血は精査されているか
→透析中の抗凝固液やストレスで痛みや下痢が出やすい
・見えない凝固異常があるに違いない
→PltやPT/APTTは正常、低下するのはPlt機能、出血時間があればベター
手根管症候群による正中神経麻痺(長期透析によるアミロイドーシス)

骨粗鬆症の合併
P排泄低下、ビタミンD活性化障害
→高P、低Ca
→PTH上昇(二次性副甲状腺機能亢進症)
→Ca代謝の重篤化
骨粗鬆症、異所性石灰化(動脈壁や皮膚)